問題行動・咬む

■甘咬みをする
●原因
甘咬みをするのはほとんどが子犬です。これは「遊んで欲しい」「かまって欲しい」というサインです。本来は兄弟犬とじゃれあってたっぷり遊び、その中で咬む力の加減も学習しますが、1頭で飼われている子犬は遊びの量が十分ではありません。このため飼い主や家族の手や足を甘咬みして遊びに誘っているのです。
●対処法
痛くないからといって放っておくと、成犬なってから人間にケガをさせてしまうこともあります。咬みぐせが着く前に止めさせる必要があります。甘咬みは「遊びたい」という欲求の表れなので、おもちゃなどを使ってたっぷり遊んであげてエネルギーを発散させましょう。忙しいときはハウスに入れておき、時間が出来たら遊んであげてください。なお、犬をなでたり抱っこしたりするのはスキンシップ。犬にとって遊んでいることにならないので、きちんと区別しましょう。
●ポイント
遊んでいるときに甘咬みをしたら、その瞬間に「痛い!」と大きな声で叫び、すぐに手を隠して遊びを中止。咬んだら遊んでもらえないと教えます。
 
■なでると手を咬む
●原因
全ての犬がなでられると喜ぶとは限りません。中にはなでられることが嫌いな犬もいるのです。単純にさわられるのが嫌いだったり、動きを制限されるのが嫌でなでられることを拒否する犬もいます。また、手をおもちゃと勘違いし、なでようとするとじゃれついて甘咬みする場合もあります。とくに袖がひらひらしている服を着ている時は注意が必要です。
●対処法
なでられることが苦手な犬の場合は、練習が必要です。まず犬がリラックスしているときに背中をやさしくなで、おとなしくしていたら誉めてごほうびを与えます。最初はさらっとなでるだけにして徐々に時間を延ばしましょう。嫌がるところをさわるのはNG。無理強いすると余計に人の手が嫌いになってしまうので、さわっても大丈夫なところから練習してください。さわっている途中で咬んだとしても叱るのは禁物です。犬が落ち着くまで待ってから練習を再開しましょう。
●ポイント
手を引っ込めると、犬は「咬むと止めてもらえる」と勘違いします。手を引かずに犬が落ち着くまで待ち、もう一度なでてからごうびを与えます。
  
■遊んでいるときに手を咬む
●原因
最初は楽しく遊んでいたのに、次第にうなり声を上げてガブッ。これは遊びに集中するあまり、興奮してしまったことが原因。子犬の場合は興奮しすぎておもちゃと人の手の区別がつかなくなり、咬んでしまうことがよくあります。悪気があるわけではありませんが、成犬になってから思わぬ事故につながることのないよう、咬んではいけないと子犬のうちにきちんと教えることが大切です。また、おもちゃを無理に取り上げると怒って咬みつく場合もあります。
●対処法
犬のテンションが上がりすぎる前に、飼い主が遊びを止めさせることが第一です。犬が興奮して手を咬んでしまったときは、すぐに遊びを中断して無言でハウスに入れ、人の手を咬むと楽しい遊びが終わってしまうことを教えましょう。しばらくして興奮が収まり、犬が落ち着いてきたらハウスから出し、改めて遊んであげて下さい。おもちゃが小さいと、それだけ手を咬まれる危険性が高くなります。おもちゃは大き目ののものや、ロープやヒモのついたものを選ぶようにしましょう。手を咬まずにおもちゃで遊べたら、誉めてあげてください。おもちゃを口から離す「ちょうだい」「オフ」などの練習もあわせてしておきましょう。
●ポイント
咬んだからといってたたいたり、犬のマズル(鼻の部分)をつかんだりするのは厳禁。人間の手を恐れるようになる危険性があるので絶対に避けてください。