問題行動・吠える

来客があると吠える
●原因
犬種によって程度の差はありますが、犬には縄張り意識があり、見知らぬ人が来ると本能的に吠えて飼い主に知らせようとします。一方、恐怖心から吠えている場合もあり、社会性の未発達が原因。反対に誰かが来るとうれしさのあまり興奮して吠えるタイプもいます。愛犬の性格を考慮して原因を見極めましょう。
●対処法
いずれの原因の場合も、来客があると事前にわかっているときは、あらかじめ犬をケージに入れて別の部屋に移しておきましょう。こうすることで、縄張り意識の強い犬には「来客時はひとりの時間」と教えます。恐怖心から吠える犬の場合は、お客さんに協力してもらっておやつんどを与えてもらい、人が来ても怖くないと教えると効果的です。来客に興奮して遊びたいと要求している場合は、吠えている間は無視し、静かになったらごほうびとして遊んであげましょう。
●ポイント
ハウスに入れておくことは、犬にとっても安全な場所を確保してあげることになります。おやつやおもちゃを入れ、居心地のいい環境にしてあげましょう。
 
外の音に反応する
●原因
聴覚が発達している犬は音に非常に敏感。外から聞こえてくる人の声や聞き慣れない物音に対して吠えるのは、不安や、恐怖、警戒心が原因です。また、救急車などのサイレンは犬の遠吠え本能を刺激するらしく、音に呼応して吠えることもよくあります。チャイムに反応するのは、チャイム=来客が学習していて、家族に「誰か来た」と伝えているのです。自分の縄張りに入ってくる「侵入者」に対する警戒心から吠えることも多く、家の前を通る人に吠えるのも同様の理由が考えられます。
●対処法
犬が吠えてうるさいからといって、むやみに叱るのはNG。かえって興奮して余計に吠えるだけなので注意してください。「はいはい」などと返事をするのもダメ。吠え続けてもかまわず無視して、犬が静かになったらほめてあげましょう。外の物音や人の声を警戒して吠える場合は、少しづつ窓を開けて新しい音に慣らしていき、おとなしくなったらほめてあげます。音がしても大丈夫だ、吠えなければほめてもらえるとおしえましょう。花火や雷などの大きな音に吠える場合は、窓を閉め切ってテレビや音楽のボリュームを上げたり、一緒に遊ぶなどして犬に音を意識させないようにします。
●ポイント
チャイムが鳴ったらハウスに入るように練習しておけば、ふいの来客時も安心。ガムやおもちゃを入れてあげると犬が喜んで入るようになります。
  
ごはんが近づくと吠える

●原因
犬は非常に頭のよい動物なので、毎日決まった時間に食事を与えていると、その時間を覚えてしまいます。時間になると吠えるのは「ごはんまだ?」という催促。時には食器をくわえて飼い主のもとにもってくることもあります。こうした犬の行動を「賢い」「かわいい」と思いがちですが、これはいわば犬の命令。つまり自分が主導権を握っていると思っているのです。ここで要求に応じてしまうと、犬は吠えれば自分の思い通りになると勘違いし、ますます行動がエスカレートすることになつてしまいます。
●対処法
飼い主が生活の主導権を犬に理解させる必要があります。毎日の食事は飼い主の都合を優先させ、不規則な時間に与えるようにしましょう。犬が吠えて催促しても完全に無視。犬が諦めるまで我慢して、人間の都合に犬を歩従わせてください。散歩やハウスの外に出たいときに吠えて催促する場合も同様の対処を。最初は以前よりも激しく吠えますが、しばらくすると吠えても無駄だと理解しておとなしくなります。うるさいからと要求に応じてしまうと、次からはもっと激しく吠えるようになるので要注意です。時間がかかるかも知れませんが、辛抱強くつづけてください。
●ポイント
準備しているときに吠えたら、手を止めて無視します。吠えるのを止めたら再開し、静かに待っていないと食事をもらえないことをおしえましょう。