グレート・デーン特徴

犬種の特徴は、
血統書発行団体の規定に沿った内容です。

毛色等はその種に認められた規定になります。
体高、体重などは基本的なサイズとして規定に近いほどスタンダードに近いと言えますが、
近年の平均的なサイズを表しているものではありません。

家庭で飼われている犬・猫のサイズが、
規定より大きすぎる場合や、又は、小さすぎる場合、
それが健康に大きく影響を与えるものではありません。

犬のサイズに関係なく、健康管理は飼われる方の、
日頃から愛情持って接することで、体調の変化などに、
素早く気づき、対応していただくことが、何よりも重要です。


 

「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」より(最終更新 2011年10月22日 (土) 03:20 )

 

グレート・デーンは、大型犬の一犬種。大きな体格と穏和な性格の家庭犬として知られる。 「優しい巨人」、「犬の中のアポロン神」と言われ、ジャーマン・マスティフと呼ばれることもある[1]。アイリッシュ・ウルフハウンドと並び最も体高がある犬種であり、最近まで最も背の高い犬としてギネスブックに掲載されていた。1965年にペンシルベニア州の州犬となる[2]。

外観 :

    体格 – 巨大で力強い、かつ優美で高貴
    体重 – オス:54-90kg、メス:45-68kg
    体高 – 76-100cm
    被毛 – 短毛、柔らかい、細い、光沢がある、体躯に密にフィットしている
    毛色 – フォーン、ブリンドル、ブラック、ブルー、マント、ハールクイン、ただしマール(en:Merle)は不可
    頭部 – 細く長い、明確なストップで大きめの口吻部、長方形、明瞭、表情豊か、彫りが深い
    歯牙 – 強固、よく発達している、シザーズ・バイト
    眼 – 中型、落ちくぼんでいる、丸く暗色、知性を表す
    耳 – やや長めに断耳、尖った、立ち耳、あるいは断耳せず
    尾 – 中くらいの長さ、踝まで届く
    脚 – 前脚は完全に真っ直ぐ
    足 – 丸く小さい
    寿命 – 7~10年前後

グレート・デーンがショードッグとして求められる体高、体重は各ケネルクラブで異なる。しかしながら一般的には最少の体重は45-54kg、最少の体高は71-81cmとされる。ほとんどの犬種スタンダードでは本犬種の最大の体高、体重は指定されないが、大きなオスだと91kg以上になる[3]。2004年8月には、カリフォルニア州グラスバレーのGibsonという名前で体高107cmのグレート・デーンが、世界で一番体高のある犬としてギネス・ブックに記載された[4]。
被毛 :

アメリカンケネルクラブでは以下の六色がグレート・デーンのスタンダードとして認められている[5]。

    フォーン – イエローゴールドで頭部はブルー。眼と眉はブラックで、他に耳と尾の先がブラックでも可。
    ブリンドル – フォーンとブラックとの斜めの縞模様。タイガーストライプとも言われる。
    ブルー – スチール・ブルー(鉄灰色)。胸や脚先に見られるホワイトのマーキングは望ましくない。
    ブラック – 光沢のあるブラック。胸や脚先に見られるホワイトのマーキングは望ましくない。
    ハールクイン – 地色はピュア・ホワイトで、黒系の斑点が身体全体に不規則に散らばるが、首はホワイトが好まれる。黒い斑点は身体を覆い尽くすほど大きくてはならないし、逆に点のように細かくてもならない。スタンダードとして許容されてはいるが、小さいグレイの斑点や(このグレイはマールのグレイと同様)、ホワイトにブラックが透けて見えるような色で、あたかも塩胡椒や薄汚れたような印象を与えるものは望ましくない。
    マント(ボストン・テリアで有名なパターンであるため、ボストンと呼んでいる国もある) – ホワイトにブラックの毛が頬から肛門まで身体上部を覆う。顔のホワイトのぶちは任意とされ、肩部、胸部はホワイトが好まれる。脚はホワイトが混じっているか、あるいはホワイト一色、尾は先端がホワイトのブラックが好まれる。身体上部のブラックに存在するホワイトの斑点は許容されている。

被毛のバリエーション : 左からハールクイン、ブラック、ブリンドル、ブルー、フォーン

 

断耳され立ち耳のグレート・デーン

ホワイト、フォーンクイン、マール、マールクイン、フォーンマントなど、その他の色の被毛もときおり見られるが、ドッグショーでは認められず、そのためブリーダーからは歓迎されない。スタンダード以外のこれらの色は「希少色」として売られている場合もあるため、注意が必要である。 また、「マウスグレイ」が含まれている場合は、どんな被毛であってもショーに出陳することは出来ない。
断耳 :

断耳はアメリカでは一般的であるが、ヨーロッパではあまり実施されていない。イギリス、デンマーク、ドイツ、オーストラリアやニュージーランドの一部の地域などでは、健康上やむを得ない場合に獣医師が行う場合を除き、断耳は禁止あるいは制限されている。 断耳は、狩猟時にオオカミやイノシシに耳を噛まれたり、引っかけられたりするのを防ぐことがそもそもの目的だったが、現在では、ショードッグとして王侯貴族のような威厳に満ちた外観を表すために断耳されている。断耳しないグレート・デーン本来の垂れた耳は上の写真で見ることが出来る。
性質 :

大きく堂々たる外観とは異なり友好的で、しばしば「優しい巨人」と呼ばれる。一般に他の犬、犬以外のペット、野生動物、見知らぬ人間や子供に対しても穏和である。飼育者に対して支配的になったり、同じ性別の犬に攻撃的になったりするものもいないわけではないが、かなり稀である。[6]
健康 :

グレート・デーンは他の大型犬種と同様に新陳代謝が遅く、小型犬に比べ体重あたりのエネルギー消費と飼料費用が少なくすむ。また、他の大型犬種とも共通の健康上の問題がある。苦痛を伴う胃の拡張、捻れである胃捻転は、迅速に処置されないと致命的な結果をもたらす。過去に胃拡張を起こした、あるいは近親が胃拡張を起こしたことがあるグレートデーンには、胃を腹壁に縫いつける手術であるガスロペキシー (en:Gastropexy)が去勢手術と同程度の頻度で行われているくらいであるが、もちろん実際に発症しない限りこの手術を行わない獣医師もいる。 皿の位置を高くして食餌させることにより、胃拡張の原因となる空気が胃に流入することを防ぐことができると信じている人もいるが、逆に危険が増加するという意見も存在する[7]。食餌の前後には運動させないようにすると危険は減少するかも知れない。いずれにせよ、グレート・デーンは10年以上生きることは滅多にない。

本犬種に共通なその他の疾病は股関節形成不全である。通常、ブリードに使う両親のX線写真を撮り、正常な股関節を持っていることを確認し、ブリードに適しており健康な仔犬が生まれそうかどうかを判断する。 拡張性心筋症・先天性心疾患・ウォブラー症候群も珍しくない。

また、必要十分な栄養ある食餌を与えられていない場合カンジダ症を発病することもあり、カンジダ症が他の感染症の原因となる可能性もある。他に血統上の遺伝性疾患も存在し、眼や耳近辺の色がホワイトである場合それらの器官は正常に成長せず、視覚障害、聴覚障害となる可能性が高い。全身ホワイトのグレート・デーンは多くが聴覚障害である[8]。
歴史 :

古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマでは、現在のグレート・デーンとよく似た犬が知られていたとする見解がある[9][10]。他にもグレート・デーンが、マスティフやアイリッシュ・ウルフハウンドの血統の中世のイノシシ狩猟犬から改良されたとする見解もある[9][11]。また、マスティフのような犬から改良されたグレート・デーンがアラン人によってドイツにもたらされたとする意見もある[12]。血統は400年以上続いており[10] 、ドイツ原産のブレンバイザー(en:Bullenbeisser)が直接の先祖で、現在の血統の40%程度を占めるかも知れない。1800年代ドイツでは「ドイツドッチェ」と呼ばれていた。

グレート・デーンという名前の起源は、18世紀にさかのぼる。フランスのビュフォン伯ジョルジュ=ルイ・ルクレル (en:Georges-Louis Leclerc, comte de Buffon) は、1749年から進化に関する大著「一般と個別の博物誌」の出版を始めた。彼が進化の例としてこの本に用いた大型の狩猟犬は、フランスでもドイツでもなく、デンマークで探し出した犬だった。これが最初に"le Grand Danois" – デンマークの大きな(犬)- と名付けられた犬である。その後、百科事典編纂者であったウィリアム・スメリー(en:William_Smellie)によってこの本が英訳された際に、"Great Dane"の訳語が与えられることになる。それ以来イングランドでは、この犬のことを「デンマークの犬(Danish dog)」と呼ぶようになった ("Canine Madness," 1762年 参照)。
デンマーク王フレデリク4世戴冠式の絵に描かれたグレート・デーン(1699年)

デンマーク人のJacob Nicolay Wilseが1767年に発表した論文である"Fuldstændig beskrivelse af stapelstaden Fridericia – efter pålidelige underretninger og egne undersøgninger."で、デンマーク人が呼んでいた「大きな犬(large hound)」というこの犬に対する名称が20世紀まで続くことになった。

1780年にドイツではこの犬のことが「大きなデンマークの猟犬("Grosse Dänische Yagd Hund" or "Large Danish Hunting Hound")」として紹介された(Edward C. Ash著:Practical Dog Book, 1931年, "The Great Dane" 参照)。

ドイツで最初に公開されたのは1863年7月14日から20日で、そのうちの8頭が「デンマークの犬(Dänische Dogge)」、7頭が「Ulmer Doggen」と呼ばれ、この時の公開におけるFCIの記録は"Bulletin Officiel de la Société Canine de Monaco, August 1937."として正式に公表された。

第二次世界大戦中あるいはその直後に、この犬の原産国はデンマークからドイツに変更された。しかしながらFCIは原産国が変更された理由を説明できるだけの記録をすでに持っていないと思われる。